モロッコパリ、旅行報告その5


3日目 さわやかエッサウィラとフナ広場ふたたびのリベンジ

さて、バタバタしてて間が空いてしまい、すっかり
旅行の記憶も遠ざかりつつあるのですが、まだまだ
続くよ旅行記。(少し巻きで行きます、行けるんじゃ
ないかな、ま、たぶん...ごにょごにょ)

怒濤のマラケシュの一日を過ぎ、早朝わたしを
起こしたのは小鳥の声の洪水。比喩でなく、小鳥の
声がすごいのです。ぴよぴよちよちよぴよいよぴよちよ
ぴよちよちよ...、フルオーケストラです。全部中庭で
鳴いてるのですね。さて、疲れでぐっすり寝たので
すっきり目覚め、ステキ中庭でオレンジジュースや
パンケーキみたいなおいしい朝食を済ませて。

↓食べてから写真取るのに気づいた。だめねー。

今日の予定は、ドライバーのムスタファに海辺のリゾート、
エッサウィラに連れてってもらうのです。
と、その前にメナラ庭園という、池のあるのんびりした
庭園に寄り道。

↓メナラ公園は、端的に言って単なる広い池である。

お、らくだがいる。写真撮ろ。
とカメラを出した瞬間にものすごい遠くから
おっさんが湧き出てきて「5ディラハム!」と
手を出しており。そうねそうね、全ての物には
値段がある、と痛感させられる旅なのであった。


さて、公園のあとはドライブへ。途中、海の見える
小高い丘のあたりで車を止めるムスタファ。
「らくだに乗ってみる?」とらくだ商人(?)
を指差す。うんうん、この際だから乗ってみる。
と乗ったのですが、結構目線が高い!怖い!
でも楽しい!はい、20ディラハム(もうそれは
分かってるよ...うん)。

↓らくだちゃんが立った後の写真もあるけどあまりに
自分がへっぴり腰で無様なので、 離陸前で。


さて、3時間弱のドライブを終え、着きました
さわやかな海風漂うエッサウィラ。海に面した
コージーなカフェで昼食。のんびり海など眺め、
ここではお店にワインがあったので、ワインも
飲むのだ。ああ、久しぶりねワイン。(まだ3日ぶり
ぐらいだけど)


↓カフェの階段では猫が昼寝中。

↓珍しく食べ物写真取ってた。野菜のタジン。間違いのない
 おいしさ。

さて、お腹もいっぱいになり、今日の観光はYちゃんと
二人きり。ドライバーのムスタファは別行動だし、
なにより邪魔なおっさんはいない。

 ...なんてすがすがしいの!


というわけで町をぶらぶらと。小さな町なので
すぐ一回り出来てしまう感じです。やはり中央は
市場、お店がいっぱい。海風はカラッとしているので、
案外涼しい、というか薄手の服ではちょっと寒いかも。

↓カモメがいっぱい。何にもしない日の開放感♥

海辺の街っていいですね。カラフルでノスタルジック。


買い物をそんなにしたい訳でもなかったのですが、
まあ少しぶらぶらみていると、珍しく値段が書いてある
お店に遭遇。一人前程度のタジン鍋があるので、買おう
かしら。30ディラハム。店番の、まだ中学生ぐらいの
男の子に、いちおう「もう少し安くなる?」と聞くと
頑なな表情で「これ以上はだめ」と。それでもなんとか
25ディラハムにしてくれたのですが、若い子は手強いねえ、
生真面目だねえ、 とYちゃんと感想を言い合いながら、
海岸へ。

にぎやかな町中の喧噪と、カモメ飛び交う海岸。
特に名所巡りというわけでもなく、のんびり町を
散策。いいなあ、のんびり。という訳でつかの間の
リゾートを楽しみ、夕方にはマラケシュの宿に戻りました。

が、帰ってみると、まだまだ明るい。
夕飯も食べたい事だし、行ってみる?フナ広場。
という事に。私達の宿からフナ広場には、スークの
迷路を通る行き方と、広場の出口から大通りに出て
徒歩8分ぐらいの2通りの行き方があるので、行きは
スークから、帰りは広場出口からが安全でしょう。
と、さて出発!
広場には案外すんなり出られたので、さて、とりあえず
ご飯ご飯。真ん中の魑魅魍魎屋台は上級者向けなので
我らはとにかくビギナー観光客向けのこぎれいな、
広場に望む建物のレストランを物色。風の気持ちよい
テラス席の2階に陣取り、暮れ行く広場を眺めながら
クスクスを食べ、うむ満足満足。頬をなでるぬるい風と
眼下に広がる喧噪に「あ、なんか、異国にいるよ私。
夢の中のシーンみたいだな」とちょっと感動なのでした。

↓お店のテラスから眺めたフナ広場。まだ明るい。


さて、食事の後は、大人しく帰ろうかな、と思ったのですが
まだまだ町は大盛り上がり、縁日気分で、危ない感じも
なかったので(夜になるとかえって、現地女性や子供連れが
出てきて、ノリがアットホームになってくるのです)、少し
お土産買おうかな。と、いろいろお店を物色し。

大変モロッコらしい平均的な食器屋さんで、ベタにモロッコ風
の食器を見てると、お店のおじさんやってきた。年の頃
65歳ぐらいのこのおじさん「お嬢さん、おじさんはお父さん
ぐらいの年だよ、とっても気のイイおじさんだよ、モロッコの
お父さんと呼んどくれ。お買い得だよ、悪いようにはしない
よ、おじさんを信じなさい」と人なつこいニコニコ顔で
セールストーク。
じゃ、これいくら?と、昼間買ったタジン鍋と同等あるいは
安いぐらいのお皿を指すと、「これはね、150ディラハム」
全然悪いようにしてるじゃないですか、おじさん。
ここで、一緒にいたYちゃんが、思わぬ才能、値切り魂に
火をつけて「ノンノンノン、それじゃだめ。もっと安く」
「ううーんおじさん困っちゃうよ、じゃあ2つでこれで」
私「じゃあこの辺で...」Yちゃん「ううん、もっともっと」
と交渉し(というか、わたし邪魔してるし)、なんとか
2つで80ディラハムぐらいにしてもらったのですが、
考えてみれば昼間の少年の店は良心的だったのねん。

その後、籠屋さんでは、ザンパノみたいなおっちゃんに、
値引きと引き換えにいりもしない らくだの木彫り人形セットを
買わされ(しかも、交渉の長い事!)、多分ここの人たち、
利益より「交渉してる感が楽しい」のではないか。

そしてYちゃんがベルベル族の女性を形どったキーホルダーが
ほしいとのこと、キーホルダー屋さんをさまようと、店の
あんちゃん、丁寧に周りの人たちにも声かけて探してくれたり
して、あら結構親切。で、雑談してると「きみって結婚
してるの?」や、してるしてる全然してる。というか
おねーさん君よりだいぶん年上ですが?「残念だなあ、
じゃ、連れの子は?」してないけど、してるしてる全然
してる。「そっかあ、残念だなあ、僕ね、日本の子と、本当
結婚したいんだよね...残念だなあ。じゃ、君、姉妹は?」
いや、いないから。「そうなの。...じゃ、いとこは?」
や、それもない。「そうかあ...。じゃ、友達は?」や、
友達も大体結婚してるし。「そうなんだ...じゃ友達の友達は?」
なんでしょう、このネバーギブアップ精神、というかギブアップ
しとけ、というか、 本当にすがすがしいほど誰でもよすぎる。
 別れ際にも「さよならー、もし誰か僕と結婚したい子が
いたら、教えてねー!」 いたとして、どうやって
教えられようか、青年よ。

まあ、そんなわけで、たいがいまたカモられたようなのですが、
楽しく買い物と、気がよくて人が悪いモロッカンあきんど
とのすっちゃかめっちゃかな触れ合い(?)を終え、
割といい気分でまばゆい不夜城フナ広場を後に、宿に
帰ったのでした。

↓死者の広場で生者がごったまぜ、人生は祭りさ状態の広場なのであった。

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